暗黒隔壁⌘えんどふぁいたー

茨城大学 農学部 微生物生態学研究室の日常を綴ったブログです。

きのこ日記

皆さんお久しぶりです、
近頃はマツタケ香る、秋の陽気となってきました。
この時期の山の中は、たくさんのキノコたちがあちらこちらで現れ、
とても賑やかなんですよ!

そんな今日は最近、茨城大学阿見キャンパス構内で見られたキノコたちを
紹介してみたいと思います!

 

テングタケフェアリーリング

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大学構内に植わっているマツ科樹木の足元にテングタケAmanita pantherina)が輪を成すようにポコポコと生えていました。
このようなキノコたちが作る輪っかはフェアリーリング菌輪)と呼ばれています。(この場所でフェアリーリングを作っているのは観察を始めてから3年目の私も始めてみました。)
まるで集まってダンスをしているみたいですね♪

 

ちなみに、一つ一つのテングタケは↓のような感じです。

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上から

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下から
テングタケは有毒のキノコで死亡例もありますが、その毒成分である「イボテン酸」はうま味成分でもあり、非常においしいらしいです。

 

 

<シロハツ>

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テングタケと同じ場所にはベニタケの仲間であるシロハツ(Russula delica)も発生していました。
このきのこは土の下から土やリターを持ち上げるように出てくるたくましい子です。f:id:kabiken:20161006195529j:plain
このきのこにはダンゴムシがくついているのをよく見かけます。ダンゴムシが胞子分散のお手伝いをしているのでしょうか?

このほかにも、もう少し早い時期だとこの辺ではニオイコベニタケ(Russula bella)やアンズタケ(Cantharellus cibarius)にも出会うことができます。
ぜひぜひ散策してみてください!

 

 

さて、このほかにも最近筑波山付近でスッポンタケ(Phallus impudicus)の幼菌を手に入れたので、育ててみました。
湿度を保てる陽気に幼菌を入れ、冷蔵庫に入れておくだけで、むくむくと子実体が形成されていくのを観察できます。
ちなみに、幼菌を破って顔が出てくると、あっという間に育っていきます。
成長していく様子を一部コマドリ動画にしてみたので、ぜひ見てみてください!

<割れだしたスッポンタケの幼菌>

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観察を始めてから4日後、スッポンタケの幼菌が割れ始めました。

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観察を始めてから12日目、幼菌からぽこっと頭を出し始めました。


<成長後のスッポンタケ>

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頭を出してからはあっというま。一晩でここまで大きくなりました。

<スッポンタケ胞子>
楕円形の胞子。

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<スッポンタケ成長コマドリ動画>


スッポンタケ成長記録

ちなみにこのスッポンタケは可食で、中国南部ではよく食べられているようです。
匂いが少しきついので初めて食べるときは戸惑ってしまいそうですが、ぜひ食べてみたいですね!

 

 


キノコがたくさん見られるこの時期、皆さんぜひ近くの山を散策してみてはいかがでしょうか(^^)?

 

ちなみに、微生物生態学研究室では新学期が始まりました。
博士の先輩が無時卒業を迎え研究室を去っていったと同時に、インドネシアからの留学生1人、新配属された3年生3人、計4人が新しいメンバーとなり、前期とはまた違った雰囲気で日々を過ごしています。

 

そのお話は、また後日、このブログ内で報告されることでしょう。

お楽しみに(^^)/